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モズになったツバメ〜三式戦「飛燕」と五式戦の話

 百舌鳥(もず)という小鳥。頭が大きくてフォルムが丸くてカワイイですよね。
800px-Lanius_bucephalus.JPG
かわゆい(*´ω`*)

 このモズをニックネームにしたヒコーキが、かの有名なフォッケウルフFW190Aです。ドイツ語でヴュルガー(モズ)と呼ばれたFW190Aは、空冷エンジンからキュッと絞りきった胴体を持つ独特のスタイル。頭でっかちのモズを連想させるにふさわしいデザインになっていると思います。
Cap 566.jpg
FW190A-8

 日本でも、このデザインにそっくりなヒコーキがあるのです。それがこれ、五式戦(川崎キ100)。「ヒコーキの心」の筆者である佐貫亦男氏も同様の指摘をしております。
五式戦.jpg

川崎 キ100「五式戦」
Fw190A-8.jpg
フォッケウルフFW190A

 でも、この五式戦、元々はツバメのように流線型の美しいデザインをもったヒコーキでした。その名は三式戦「飛燕」(川崎キ61)。
 その愛称の「飛燕」とは読んで字のごとし、飛ぶ燕です。燕のように美しい流線型を持ったその理由は液冷エンジンハ40にあります。


飛燕.jpg
川崎キ61 三式戦「飛燕」

 このハ40、ドイツのダイムラーベンツDB601を国産化したものです。このエンジンを搭載した有名な戦闘機といえばメッサーシュミットBf109ですね。この飛燕も「和製メッサー」などと呼ばれ、日本機のなかでも特徴的なフォルムでした。
Cap 3.jpg
メッサーシュミットBf109E
 でも、このエンジン、ドイツの高い工業力と職人芸が生み出したいわばエンジンの芸術品ともいうべき製品です。当時の日本の技術力では手に負えるものではありませんでした。
 製作不良・整備困難などからすぐに供給不足に陥り、川崎の工場には、胴体だけの飛燕がずらりと並ぶことになります。Kawasaki_Ki-61-14.jpg
 そこで、日本得意の空冷エンジンを搭載し直して五式戦として開発するのですが、これが大ヒット。空戦能力・信頼性も比較にならないほどに向上し、日本陸軍機最良の戦闘機とまで言われるようになります。
 この五式戦の開発にあたって参考にした戦闘機が、当時テスト機として日本に来ていたFw190Aでした。飛燕は元々液冷エンジン用に絞りきった細い胴体。大きな空冷エンジンとの段差がどうしてもできてしまうのが課題でした。
Cap 647.jpg
 これをカバーするのには大きなフィレットでなだらかにするのが簡単で早いやり方なのですが、これだと重量がかさんでしまいます。
 そこで設計担当の土井技師は、FW190A-5を参考にして空冷エンジンと胴体の段差を逆に利用する設計を行います。

Cap 648.jpg
正面から見ると、空冷エンジンと胴体のつなぎが不自然な感じがしますね。
566px-Ki-100_in_the_RAF_Museum_02.jpg
こうして、飛べないツバメは頼りになるモズへと華麗なるを遂げたのでした。
ea5041edfc2793284b9935529ceb90a5_s.jpg飛べなきゃ意味がない・・・

 似たような話は他にもあってソ連のLaGG-3→La-7も液冷エンジンから空冷エンジンにして傑作機に生まれ変わっています。
LagG-3からLa-7.jpg 三式戦から五式戦への流れは、ツバメからモズへの変身ではありますが、考えてみれば、ドイツ双璧の戦闘機、Bf109とFw190Aの両者の技術を取り入れた形になっていて、面白いなぁと思ってしまいます。

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