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撃墜されるより着艦事故の方が多かった?F6Fヘルキャットの真実

Cap 142.jpg
零戦のライバルだったF6Fヘルキャット

◆公式記録にあるF6Fの喪失数

 第二次世界大戦下での日米の艦載機同士の対決は激しいものがありました。日本の艦上戦闘機は零戦1機種に対し、米軍の艦載機は、F4Fワイルドキャット、F6Fヘルキャット、F4Uコルセア等など。更に終戦間際には零戦より小型でありながら2,300馬力のエンジンを積んだF8Fベアキャットが空母に積まれて日本に向かっていたというから、性能差も戦力差が広がる一方でしたね。
零戦VS.jpg
零戦のライバルたち

 さて、その零戦と米軍機の中でもっとも多く戦ったであろうF6Fヘルキャットですが、実は戦闘よりも事故で喪失した方が多かったというデータがあります。

 OPNAV(米国海軍公刊戦史)によるとF6Fの喪失内訳は以下の通り。

Cap 143.jpg

 F6Fの殆どが海軍の空母配備ですが、日本の艦船による対空砲火の損失(538機)の方が空戦より被害が大きいです。空戦により撃墜された機数が270機に比べ、事故による損失が340機、艦上での喪失が413機という数値が出ています。
 零戦に撃ち落とされるより、事故や艦上での喪失の方が多いというのはちょっと意外でした。

 その他が885機と大きいのが気になるのですが、空戦や対空砲火による未帰還機や、洋上での不時着での喪失なのでしょうか。そう考えると日本側が与えた損失はもう少し上がりそうです。
 戦争が終結して、もう終わったから帰還中にF6Fを海へ投棄したといいますからその数字も入っているのでしょうかね^^;
F6Fの損失率.jpg

 総生産機数は12,275機ですので、2割近くが失われた計算になります。零戦が1万機余り生産され、その9割方が失われたことを考えると、アメリカとの戦力差をまざまざ感じされられてしまいますね。


 さて、F6Fヘルキャットですが、F6Fよりも
2年も前に初飛行し、高性能であるF4Uコルセアが着艦性能が悪く、肝心の艦上戦闘機としては運用が難しかっため、F4Fワイルドキャットの後継機はF6Fが受け継ぐことになります。
 それでも、重量過多で着艦時に主脚がポキっと折れての事故が多かったようで。まあ、空母の離発着の未熟なパイロットが多かったということもあったようですね。
 事故の損失は多かったようですが、小型の護衛空母などに補充機を搭載していたので、それでも大した問題にはならかなったようです・・・。
「補充でまかなえる欠点なら問題なし」というアメリカの合理主義なんでしょうか。


◆空母への着艦は命がけ
 
 私もハンググライダーやマイクロライトプレーンで空を飛んだことがあるのですが、一番緊張するのは着陸の時でした。上空から見れば飛行場なんて小さな点です。そこへ狙いを定めて着陸するなんて・・・・。持論ですが「着陸とは、意図的に行う墜落である」と思っています^^;

FM-2_00.jpg
昔も今も着艦は大変

 ましてや何トンもある戦闘機を広い海上の点である空母に着陸させるなんてものすごい大変。余裕のある地上での飛行場とは違い、少しでもオーバーランしてしまうとあっという間に海へドボンです。
 艦上機の航空母艦への着艦は「制御された墜落」と形容されるほど危険度の高い作業であり、着艦失敗による事故は少なくないそうで。
 着艦事故の映像もかなり残っています。

AIRCRAFT CRASH_02.jpg
あーっ!
AIRCRAFT CRASH_03.jpg
ヤバイ!こっち来る!
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甲板作業員も命がけです。
AIRCRAFT CRASH_01.jpg
片足が出ないけど着艦!
AIRCRAFT CRASH_05.jpg
ぐえー
AIRCRAFT CRASH_06.jpg
ただいまー ぐえー
AIRCRAFT CRASH_07.jpg
ファッ!
AIRCRAFT CRASH_09.jpg
ヒョッ!

AIRCRAFT CRASH_011.jpg
ぐえー

AIRCRAFT CRASH_010.jpg
 ドンガラガッシャン!こんなになってもパイロットは無事脱出。どんだけ頑丈なんでしょう。
 一度、事故ると次の機が着艦できないので、そのまま甲板から廃棄してしまうことも多かったのでしょうね。海上なら修理するより補充機を当てたり、廃棄した方が効率的かも・・・・。

 ちなみに日本の空母での着艦はいち早く着艦指導灯が導入されていました。また空母の後ろを
着艦失敗の機体と搭乗員を救助するトンボ釣りと呼ばれる任務の駆逐艦が追走していました。
 もう、海へドボンが前提・・・。 

 敵機や艦船を攻撃するという華々しい戦闘の裏では、「空母への帰還」という、パイロットたちのもうひとつの過酷な戦いが待ち受けていたということも知る必要がありますね。

動画でみるともっと衝撃的です。
 

 
<関連記事>
→日米の艦載機の後継機問題
→猫まっしぐら、アメリカ海軍”キャット”シリー

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コメント 8

tochi

着陸も命がけですね
by tochi (2016-08-28 20:17) 

johncomeback

>「着陸とは、意図的に行う墜落である」
 なるほど納得です。そもそも人間が飛ぶって、
 不自然ですよね(*´∇`*)
by johncomeback (2016-08-28 20:33) 

アニ

この動画は衝撃的ですね^_^
by アニ (2016-08-28 23:44) 

caveruna

着陸、怖し!(すご~い)
by caveruna (2016-08-29 10:11) 

たくや

命がけで戦って、命がけで着陸するのは可哀想~
by たくや (2016-08-29 10:37) 

ワンモア

★ tochi さま
 疲労困憊して帰ってくるからなおさらなんでしょうね。

★johncomebackさま
 いつか人間も自由に自然に飛べるようになりたいものです(;^ω^)

★アニさま
 AIRCRAFT CRASH LANDINGSで検索すると沢山出てきました。
 
★caverunaさま
 フィルムを見ているとガンガンバウンドして下りてます( ˘•ω•˘ )

★たくや さま
 疲労困憊して最後の着艦がまた大変です。空母乗りはパイロットのなかでも一流なのですね。

by ワンモア (2016-08-29 17:01) 

bpd1teikichi_satoh

昔も今も艦載機を空母に安全に着艦させる事は、
大変な事です。

今でも空母の着艦を想定した訓練、タッチアンドゴーは
行われています。アレスチングギアに着艦フックがもし
掛からない場合、アフターバーナーを再点火し急上昇しなければなりません。さもないと機体ごと海の中に落ちてしまうのです!
by bpd1teikichi_satoh (2016-09-17 19:47) 

ワンモア

★bpd1teikichi_satohさま
 空母乗りはちょっと期間が空くと資格を失ってしまうそうですね。大変だと思います(;^ω^)
by ワンモア (2016-09-18 01:47) 

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