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航空燃料や燃費の話。航空会社も燃費に気を使う?

 「腹が減っては戦はできぬ」ではありませんが、「燃料がなければ飛行は出来ぬ」ということで、今回は「燃料」という大事なものについてのお話を。

◆航空用の燃料って自動車用とは何が違う?

100LL.jpg

 飛行機の燃料は大きく分けて「航空ガソリン」と「ジェット燃料」があります。それぞれレシプロ機用とジェット機用ですね。
 航空用のガソリンは、自動車用のガソリンに比べ、様々な面で高品質。発熱量が大きく、気化性にも優れ、不純物も少なく、劣化もしにくいのが特徴です。また耐寒性にも優れています。

 よくガソリンの性能を示すのに「オクタン価」という言葉が出てきますが、これはガソリンの品質を示す数値のひとつ。オクタン価が高いほどノッキングが起きにくいという性質があります。

 航空用ガソリンには色がついていて、現代で一般に使われている
100LLオクタンは青、100オクタンは緑、91〜96が透明、80〜87は赤など、間違えないようになっています。

Cap 308.jpg
WWⅡにドイツで使われていたオクタン価を示すマーク

 かたやジェット燃料ですが、ガスタービンエンジンに用いられ、こちらはケロシンといわれる灯油です。家庭で使われている灯油との違いは水分。家庭用の灯油は水分を多く含んでいるので、高度一万メートルの上空では、気温がマイナス50度以下にもなりますから、家庭用の灯油では凍ってしまうからなんです。

◆飛行機の燃料はどこに積まれているの?


 さて、この燃料ですが、旅客機ともなりますと、その搭載量が半端じゃありません。
B767-300の場合は約9万1,000リットル。777-200の国内線利用の場合は約17万1,000リットルも入ります。B767-300ならドラム缶でいうと、約850本ぐらい。自家用車の車の容量を70リットルとするならば、1300台分の燃料が一度に入るという計算ですね。
 実際には
燃料を満タンにして飛行することはありません。積みすぎると、機体の重量が増し、燃費が悪くなり、燃料を浪費してしまうためです。 飛行前に、気象条件、飛行計画、乗客や貨物のトータル重量などの条件を考慮し、もっとも適した量の燃料を積載することになっています。

 しかし、これだけの量になるとその重さもものすごく、旅客機の場合は、機体とほぼ同じ重量にもなります。これをどこに積むのかというと、その殆どが主翼の中になります。
 これは、胴体はなるべく客室の占める割合をなるべく大きくとりたいということと、安全性を考えて胴体から離したいという理由もあります。
最近の機種には水平尾翼の中にまでタンクにする旅客機も出てきています。

 

Jet-liner's_main_fuel_tanks-1.jpg
一般的な旅客機の燃料タンクの位置


 それと
主翼に燃料タンクがある最大の理由なんですが、飛行中の旅客機には、主翼には揚力が発生することで上向きの力が発生、胴体には自重の下向きの力がかかっていて、主翼のつけ根に、とても大きな力が加わるのです。
 その力をやわらげるためにも、主翼の中に燃料を入れて「重し」にて主翼が必要以上に反り返らないようにしてあります。 

自重と揚力_01.jpg
付け根に力がかかるので、主翼を重くすることで力の集中を和らげるようにします。
自重と揚力_02.jpg

◆燃費がよくなる飛び方とは?

 沢山の燃料を積んでフライトする旅客機ですが、つぎに気になるのは燃費ですよね。大体ですが1分間でドラム缶1本は消費するそうで。ドラム缶は約200リットル。やっぱり車と比べると半端じゃない量です。距離にすると、10km飛ぶのに必要な燃料は約120リットル。例えば、羽田〜福岡間が約1,000kmなので、片道1万2000リットルは消費することになります。
 なので、乗客が少ないと当然赤字になる訳で、燃料代はけっこう切実な問題になります。

 そこで航空会社たちは、常に燃費の良い飛び方を求めています。
 たとえば追い風に乗ること。北半球では強い偏西風(ジェット気流)が発生していますので、国際線では東に向かう時はこの風に乗ることで、移動時間も燃費も短縮されることになります。速度にしても180km/hも違うそうです。

 機長は許可されているルートの中から最も強く追い風が吹いている空域を狙って飛ぶことになるのです。逆に西向きに飛ぶ場合は、向かい風のもっとも弱い所を狙います。

Jetstreamconfig.jpg
ジェット気流の概略。
ジェット気流は寒帯および亜熱帯で、

蛇行しながら地球を取り巻いて吹いています。


 よくある話題に、電車や新幹線と違って、飛行機は定刻通りになかなか運行しないので、遅延したら補償しろとか怒る方がいますが、こういう気流とか天候などの影響が、地上の交通とは格段に違うからなんだということを理解してないといけませんね。
 私から言わせれば、逆にそれだけ大きな自然の中を運行する飛行機や航空会社って凄いなぁと思うのですが(;^ω^)

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コメント 9

tsumi

飛行機の燃料のことなんて、考えたこともありませんでした…!
でも確かに、かなりの高度になると温度も低くなりますもんね。なるほど~勉強になります。
燃費の事を考えながら飛行しなければならないなんて、やはり機長の皆さんはすごいですね!
by tsumi (2017-02-07 22:08) 

ちょいのり

1分間でドラム缶1本(゚д゚)!
うは・・・やっぱり別格^^;

そうそこなんですよ。
遠く早く使い勝手の良い移動手段ってことで慣れちゃってるけれども、
その裏側は非常に緻密な構造であり、
安全性や如何にお客様へ燃料代が負担にならないようにって苦慮し続けてることも分かって欲しいですよね。

by ちょいのり (2017-02-08 03:22) 

johncomeback

燃費は0.08km/L ですか、良いのか悪いのか判断できません。
by johncomeback (2017-02-08 08:51) 

caveruna

人間って、すごいこと考えるな・・・と、
つくづく感心してしまいます。
次回飛行機に乗る時は、
ワンモアさんのブログ思い出して、
楽しくなりそう(笑)
by caveruna (2017-02-08 09:47) 

ワンモア

★tsumi さま
 パイロットさんは大変な仕事なんですよね。改めて思います(;^ω^)

★ちょいのりさま
 ガソリン代、一回で何百万円の世界です(;^ω^) うはって感じですよね。時間通りに運行しているのが当たり前って思う人って日本では多いです(笑)

★johncomebackさま
 うーん、私もなんとも言えません(笑)良いのかなぁ〜(;^ω^)

★caveruna さま
 今度、飛行機乗る時は思い出してウンチク語ってください(笑)

by ワンモア (2017-02-08 18:51) 

hana2017

こんばんは。
空港で時間をつぶしていると、航空燃料をいれている様子を目の当たりにするものですが、旅客機の場合機体とほぼ同じ重量なんですか!?
今月末の沖縄、つい先ごろ確定メールが届いたばかりながら、座敷指定したのが往復共に翼のほぼ上。
この記事を思い出して、ドキドキしてしまいそうです(^^;
by hana2017 (2017-02-08 22:01) 

ワンモア

★ hana2017さま
こんばんは〜。
燃料は満タンにした場合、ほぼ機体重量と同じ位まで入る容量があるのですが、国内線の場合はそこまで入れることはないと思います。
 お席は翼の上なんですね〜(^^) 座席には好みがあるので、どこが一番いいか、というのは一概にはいえないと思いますが、人気が高いのは前方の窓側だそうですよ。私、翼の上、大好きです。フラップやら色々動くのを見ることができますので(^^) よい旅を!
by ワンモア (2017-02-08 23:10) 

Cedar

サーチャージって?と思ってましたがなんとなく納得しちゃうかも?
by Cedar (2017-02-09 10:27) 

ワンモア

★Cedarさま
 こういう裏事情を知っていただくと、まあ、仕方ないかと思ってしまいますよね(^^)

by ワンモア (2017-02-09 21:40) 

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